里野山家だより(佐藤 秀一:MailNews 2018年5月号)

※ この記事は、KIESS MailNews 2018年5月号に掲載したものです。

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NPO活動
県移住相談会(1月20日)

兵庫県からの依頼により、幼児のいる若い家族4組と面談し、三田市へ移住の相談に乗りました。その後も連絡を取り合っています。

井戸端会議

参加メンバーは地元の人や移住して一年から数年の人、これから高平に移住希望の人、お隣の宝塚西谷から地域づくりを共に考えたいと参加する人を含め、13,4人の人が定着して来ています。参加者が高平や西谷でこれからやっていきたい夢や、魅力ある地域づくりをどうしたら出来るか、ワイワイ描いて実践してみてどうかを出し合う貴重な、面白い井戸端会議になりつつあります。

 

刈払い機操作講習会(4月1日)

地域の前老人会会長の提案で高齢者の田畑の草刈りを助けるため「里野山家草刈り隊」を結成しましたが、メンバーには経験の浅い人や自己流の人がいるため、改めて刈払い機の安全操作の講習会を開催しました。里野山家の里山整備メンバー「里山守り隊」の一人が講師になって安全の座学と畑での実習を行いました。参加者には満点を貰った人も居れば、自己流が抜けない人も居ました。

 

NPO年次総会(4月22日)

33人の出席と23通の委任状により総会が成立し、議案は全て承認されました。その後の昼食は餅つき大会と一品持ち寄りで豪華な食事となりました。昼食後は有志で裏山の遊歩道「酒井さと道」に登り、のじぎくの定植と友松寺への散策を行いました。

 

 

第3回三田有機農業講座(高平郷づくり協議会と共催)(4月24日)

今回の会場は郷協のさとカフェで、34人の参加者があり、そのうち26人が初参加でした。当日は雨模様の為、午前の小雨のうちに保田先生の指導の下にナスとピーマンの苗の植え付けの実習と保田ぼかしづくりを行いました。午後は保田先生と西村先生の座学でした。実習は試験畑に10本の5mの畝を用意し、受講者の希望者に貸し出しています。

 

有機農法の実行

講座参加者でお試し畝を希望された人が適宜畑にやって来られています。面白いもので、自分担当以外の畝の面倒も見て下さっています。支柱の竹切りや打ち込み、苗括り、刈草敷きも全面に出来ました。

 

北摂里山大学受講(1月13日、2月17日)

2年がかりで修了することが出来、終了記念の高級剪定鋏を貰いました。里山整備の基礎を学ぶと共に人の繋がりも拡がりました。

兵庫県助成「住民参画型森林整備事業」

庫県と三田市の勧めに応じ、県の助成金を受けることにしました。事業開始に先立ち、酒井区の役員会と高平地区区長会で事業の説明を行い、作業区域の山主さんたちとは協定を締結しました。

初年度は機材購入と危険木伐採に助成金を使いました。機材は個人では手の届かない高仕様の物を入手出来ました。危険木伐採は専門業者に発注したのですが、事前に山主さんや近傍の住民の方と現地立会で伐採する木を決めました。専門業者は指定した木を切り倒すだけなので、伐採前後の周辺整備では当NPOのボランティアメンバー(里山守り隊)が大いに活躍しました。近辺の住民の皆さんからは裏山が明るくなったなど感謝されています。また、明るくなった森には小さい子や中学生が遊びに来るようになりました。

 

 

生活支援ボランティア(ふれあい協議会生活支援部会 サポート高平)

今年から支援対象地区が波豆川区と下高平地区に拡がり、私たちが担当する依頼者は3人に増えました。14人の登録ボランティアで担当していますが、再募集しても増えません。地域全体の活動となるように周知を図りたいと思います。

転作地・休耕地の活用

里野山家の農地は法制上仮登記になっていますが、借地と合わせて所定の面積として本登記する為近所の遊休農地を借りる手続きをしています。これらの借用地では蜂蜜採取のためのハーブの栽培、花いっぱい活動のコスモスやヒマワリの栽培をします。大量の種子の寄付を受けています。

若者受入れ

沖縄の19歳の青年や女子高生2人を受け入れ、農作業を手伝ってもらっています。また、別の男性が薪小屋づくりを引き受けてくれています。

 

補助金申請プレゼンテーション(4月27日)

宝塚にあるNPO法人兵庫空き家相談県民センターと共に平成30年度兵庫県農山漁村活性化事業に応募して神戸の県民センターでのパワーポイントによるプレゼンテーションを行いました。その結果、補助金が決定しました。

農学系学生との交流(5月5日)

4月24日の有機農業講座の講師である保田茂先生の推薦で京大大学院と神戸大学大学院の農学部の女子学生2人が里野山家の活動と高平の地域を農業経済や農業教育の研究フィールドにしてみたいと里野山家を訪れました。当NPOは高平地域に3年目に移住してきた3人(中学生、小学生、幼稚園児)のお子さんのある夫婦を紹介して意見の交流の場を設けました。

 

高平郷づくり協議会(以下郷協)のメンバーとしての活動
高平郷づくり協議会運営委員会(11月16日、12月21日、1月18日、2月15日、3月15日、4月19日、5月17日)

高平地域活性化対策を協議し、6部会のイベントとして具体化しています。私たちが担当している環境美化部会では、伝統技術の伝承を目指し、年末(12月23日)にしめ縄づくりワークショップを開催しました。今年度は日本伝統の木製水車による小水力発電に挑戦しようと計画しています。

三田まつり(8月5日)

雨恒例の綿菓子の店を出しました。好評で長蛇の列が出来、終了時刻を考慮して早めに最後尾を止めるほどでした。今年は値上げをしたことと、雷雨で中断される事が無かったので、結構な売り上げになり郷協の自己資金を増やすことが出来ました。

歌声喫茶開催(11月10日、12月8日、1月12日、2月9日、3月9日、4月13日、5月11日)

毎月の歌声喫茶が5月で11回となりました。参加者は25人から30人位で安定して来ましたが、もっと増やしたいので勧誘を続けています。毎月、楽しい絵付の歌詞集を作って下さる司会進行役の前川武比古さんは半年先の分まで作られて、これが生きがいの一つになっているそうです。

最近はこの歌声喫茶の後、ワンコイン主婦シェフランチが出るようになりました。

防災訓練(11月18日)

三田市の主催で防災訓練が高平小学校の校庭で行なわれました。三田市消防団と自衛隊が実演する横で郷協はテントを一張り貰いロケットコンロを使ってご飯と豚汁の炊き出しのデモを行いました。

サウンドカフェ(11月26日、5月6日)

サウンドカフェ(11月26日、5月6日)
この郷協さとカフェの企画も年2回の恒例行事となり、地域内の音楽愛好家や子供たち、青年の他に市街やニュータウンからの参加者があり、小さい子どもからお年寄りまで演奏を聴いたり、みんなで一緒に演奏に合わせて歌ったりして楽しみました。佐藤英津子もお琴の演奏で4回目の参加でした。

移住推進活動

以前にも増して高平に移住を希望される方が増えてきました。しかも、新しく農業をはじめようとする若者や小さい子を持つ夫婦の人たちも、敢えてこの田園風景の中で子育てをしたいという人たちが増えつつあります。若い人の方がどのような環境で人の心が育つのか「感じる力」を持っているのかもしれないと感じます。昨年末から頼まれていた30代の夫婦の方の家が見つかり、間もなく移住して来ます。2人の幼児を持ち、地域の子育てグループが子育て仲間が増えると楽しみに待っています。

この高平に空き家をつくらないと考えている生え抜きの郷協メンバーと一緒に空き家バンクを進めていけるのも心力強いことです。手持ち物件が増えて来ています。

注連縄(しめなわ)づくりワークショップ(12月23日)

郷協年末恒例の注連縄づくりワークショップを開催しました。ニュータウンからの参加者もあり、12組の注連縄が出来ました。昼食は餅つきで盛り上がりました。

 

河内長野市街協との交流(3月1日)

大阪府河内長野市から依頼を受けて、河内長野市街づくり連合協議会に佐藤夫婦を含め6人で参加しました。パワーポイントで郷協の成り立ちと現在の活動を発表して、その後街協のメンバーから街協の抱える課題を聞き、自分たちの活動を通して得た意見を述べました。

 

アマゴ・ニジマス掴み取り大会 (4月20日)

雨の為、一週間延期になった待望のアマゴ・ニジマス掴み取り大会が、やはり前々日の雨の為、羽束川から三田市立野外センターで行いました。大人も子どもたちもワーワー、キャーキャー、それはそれは賑やかな掴み取りになりました。参加した人たちは大満足でニコニコ顔満載の波があちらこちらに押し寄せて押し寄せて押し寄せていました。

 

 

里山整備
里道を遊歩道に整備

毎週月曜日に6~10人の常連メンバーにより里山整備が続いています。更に第1、第3日曜日に日曜組を設け、それぞれに兵庫森の倶楽部のボランティアリーダーが付くことになりました。平日は勤めを持つ人が参加出来るようにしました。

12月末から2月は放置されて荒れた竹林の皆伐を行い、危険木伐採の際に散乱した(伐採業者は後片付けをしない)杉、檜、樫などの枝払い、玉切りをして整理整頓しています。日曜組でチェーンソーの特訓を受けた女性メンバーは、直径30cm余の材の玉切りが出来るようになりました。

 

高平の里山の未来を考える講習会(2月3日)

県の助成を受けるに当たり森林ボランティア関係団体から指導を受けるよう指示があり、「兵庫森のクラブ」の方を講師として、「里山は三田の宝—日本人の心 高平の里山の未来を考える講習会」を三田市の後援、兵庫県、ひょうご森の倶楽部、高平郷づくり協議会、北摂里山博物館、羽束川・波豆川流域水質保全協議会、高平区長会の協力を得て開催しました。参加者が35人あり、その内12人が地元の人でした。午前中は座学で里山整備の大切さを理解していただき、午後は整備中の山に入り間伐を体験していただきました。整備作業への参加者が増えるよう願っています。

 

水質保全

佐藤秀一は郷協から「波豆川・羽束川保全推進協議会」の副会長、「高平地区水質保全推進協議会」の副会長兼会計として送り出されており、神戸市の水源を守る活動に加わっています。千刈ダム湖の清掃(11月4日)や先進地域の施設見学(11月12日滋賀県高島市針江 生水の郷、12月8日大阪市水道局、狭山貯水池)を行いました。

 

里野山家の暮らし
~地域の伝統行事、年中行事、共同作業の写真記録~
門松づくり(12月24日)

朝早くから村の墓地の裏の竹藪から太い竹を伐り出し、公民館前の広場で門松づくりを行いました。公民館に一対と村のお寺に一対を作りました。

 

とんど焼き(1月14日)

今年も近所の人々が集まりとんど焼きを行いました。今回は私達も網ではなく竹の棒の先に鏡餅を挟んで焼きました。使用後の竹の棒は置いておくと防火の呪いになるそうです。お茶を飲みながら楽しく過ごしました。

 

畦倉池溝掃除(5月3日)

私たちの住む酒井区では毎年5月3日は地区の上にある農業用水源「畦倉池」に周囲の山から流れ込む溝の掃除をしています。今年は池の岸の補修を重点的に行いました。

 

(さとう しゅういち:KIESS事務局・NPO法人里野山家代表)

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