※ この記事は、KIESS MailNews 2019年4月号に掲載したものです。
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人類の生存をかけた新しいエコビレッジづくりの胎動
鈴鹿の地域に10年かけて根付いてきた里山の活動、エクハルトハーン博士の講演会シリースの様子、フランス人カップルが日本各地のエコビレッジづくりの胎動をとらえた映画を紹介します。
ツリーハウスの完成̶すずかの里山の活動
春先から新緑の季節の里山と谷戸田は、一年のうちで最も気持ちの良い鮮やかさで人をひきつけるのではないでしょうか。鈴鹿市の中心から車で15分程度南、鈴鹿サーキットを過ぎるあたりに「すずかの里山」はあります。ホトトギスの鳴く中を、タラの芽などの山菜とり、代掻き作業の終わった田圃を湧水が巡って田植えの準備が進む風景を見ながら、毎週のように鈴鹿市内から家族連れが訪れています。
ここを2011年から使わせてもらえるようになり9年目ですが、自治会や鈴鹿市の理解も少しずつ広がって、地元の中学高校の生徒たちも時折活動に加わるようになりました。月一回の関係者のミーティングも、一緒にやっている人たちとツーカーの中になってきました。(すずかの里山、高崎広さん)
持続可能な都市は細胞型になる
気候変動と難民問題を解くカギ 国際キャンパスシティ「Wunsdorf」
ハーン博士の講演会ツアーは、グローバルエコビレッジネットワークJapan(GEN-Japan)の活動の一環で、3月24日の横浜戸塚でナマケモノ倶楽部・カフェゆっくり堂との共催を皮切りに、東京表参道でアズワンネットワーク東京、法政大学と日本建築学会を挟んで、4月6日アーツ千代田でBIOCITYとの共催を最後に各団体の関係者と交流を深めました。KIESSには3月31日新大阪会場の後援をいただき、内藤正明先生に基調講演「人類の生存をかけた、新しいエコビレッジの胎動」、ハーン博士にプロジェクトの概要とその意味を話していただきました。
ベルリンから南に40キロ、元軍用地の再利用をしながら、世界が直面する気候変動と難民問題への回答を示すと同時に、本来の都市像をここに実現し、世界的な研究と実践のネットワークを広げていこうという、国際キャンパス・エコシティ「Wunsdorfビュンズドルフ」プロジェクトと、ドイツ国内で現在政策的にも検討され始めていることなど、最新情報を話されました。講演で紹介された図など含めて、詳細をBIOCITY最新号(2019年4月1日発刊)で、糸長浩二先生に監訳をいただいて紹介しました。ご連絡を頂けましたら会員価格で用意できますので、ご一報ください。(Gen-Japan事務局:gen.jp2015@gmail.com)
講演会では合わせて、科学と政策をつなぐ優れた取り組みが国内にすでにある事例として、『滋賀県発!持続可能社会への挑戦』(内藤正明・嘉田由紀子編,3ページ参照)の、最新の滋賀モデルの構築、および第三部で福島原発事故直後に、近隣県での原発事故を想定した放射性物質拡散シミュレーションについて詳細に触れられている点を紹介しました。KIESSの岩川さんたちによる仕事に、参加者の多くが関心を寄せました。
Five Minutes City̶鈴鹿コミュニティに注目する理由
鈴鹿カルチャーステーションでの記念講演会から
3月30日、アズワンネットワークコミュニティの玄関でもあり、市民との交流の場となっている鈴鹿カルチャーステーションで、ハーン博士との交流10周年を祝う記念講演会が開催されました。「まちの縁側」(内藤先生)の実現に加えて、ハーン博士のライフワークの一つである「エコステーション」を目指し、日本初の取り組み事例としてハーン博士のHPに紹介されている場所です。記念講演後に、10年間にわたって観察を続けている専門家としての観点について、Five Minutes CityなどWunsdorfで実現されようとしている新たな概念などと合わせてお話をいただきました。グローバルエコビレッジネットワークGENのHP(http://gen-jp.org/2019/04/29/ekharthahn/)に紹介しています。英語版は来月発表の予定です。
「セ・ポッシブル 出来る」フランス人カップルがとらえた、日本各地のエコビレッジづくりの胎動
日本で気楽なWOOF暮らしを体験するうちに、エコビレッジの本場ヨーロッパで触れることのできなかった人情あふれる小さなエコビレッジと、そこに生きる、ごく普通の人々に感動したジョナサンとマチルダ。急遽、なれないビデオカメラを担いで次々紹介されるままに各地の取り組みを記録したもの。アズワンには2年前に訪れた。この度映画として完成し、3月からフランス大使館の後援で各地で上映会を開催。ご関心のある方、ご一報ください。
プロモーションビデオ
https://youtu.be/JmKD_VIa4gw
おふくろさん弁当
https://youtu.be/5IRHylugU6o
(かたやま ひろこ:NPO法人えこびれっじネット日本 GEN-Japan 代表)
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