里野山家だより(佐藤 秀一:MailNews 2018年3月号)

※ この記事は、KIESS MailNews 2018年3月号に掲載したものです。

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NPO活動
県移住相談会参加(7月29日)

兵庫県阪神北県民局からの依頼により、大阪天満橋OMMビルで開催された移住相談会のブースで三田市への移住の勧誘をしました。その時知り合った女性3人が9月の有機農業講座に参加されました。

井戸端会議

この頃は毎回12,3人の参加者があり、他地域からの新規参加もあって賑わっています。農家民泊、有機農法、自然農法、高平や宝塚西谷地域への移住、獣害対策などの話題で話し合っています。数回前から西谷地区からの参加者もあり、逆に「西谷農を語る会」にこちらから参加するようにもなりました。

第2期さんだ住まいるチーム発足(8月24日)

私たちが昨年度活動した住まいるチームの第2期が発足しましたが、私たちが勧誘した高平地区に住む女性一人と一家族が登録され、今三田市のことを勉強しているようです。私たちもサポーターとして登録されました。

KIESS&E-TECジョイントセミナー(8月26,27日)

今回は南三陸の復興状況を視察し地元の方々のお話を伺いました。大川小学校の廃墟と慰霊碑に胸を痛め、カキ養殖の復活やヨシの活用などのお話に感動しました。

東北の 波にさらわれし 小学校
亡き子らの声 胸締めつける  英津子作

 

第2回三田有機農業講座(9月21日)

今回の会場は里野山家で、午前は保田先生と西村先生による座学で、午後は保田ボカシづくりと大根の種蒔きの実習でした。

 

有機農法の実行

里野山家の畑と理事の下嶋さんの畑で保田式有機農法を進めていますが、男女約10人の会員さんの活動の場になっています。今は黒豆枝豆とサツマイモの収穫をしています。枝豆は一畝分の慣行農法と比較しましたが、根の張りも実の大きさも有機農法が勝っていました。

 

北摂里山大学受講(10月7日)

午前は前回の植生調査のまとめがあり、午後は川西市清和台の宅地化困難で取り残された山林=まち山(これも里山の一種)を見学しました。共に里野山家周辺の里山整備の参考になりました。

兵庫県助成「住民参画型森林整備事業」

県の助成金が認可され振り込まれました。機器の購入に当たっては3社見積が必要で、三田市内の販売業者さんや池田市や小野市の林業専門店から見積もりを集めています。間もなく発注の段取りです。

熊森協会皮むき間伐ワークショップ共催(9月3日)

今季4回目で最後の開催でした。

兵庫県移住相談会見学ツアーの受入れ(10月15日)

見学ツアー御一行12名が里野山家を訪問されました。1時間足らずの短時間でしたが、お茶を飲んでもらいながら三田の里山の素晴らしさやNPOの活動を語って、移住をおおいに勧めました。

生活支援ボランティア(サポート高平)

今のところ支援対象地区は波豆川区のみで、依頼者は病院送迎の一人の方だけです。14人の登録ボランティアで担当していますが、対象地区を下高平の6地区に広げる案が出ています。田舎の人は遠慮深いので依頼しづらい様ですが、気軽に依頼されるように工夫が必要です。

三田市景観審議委員会(9月28日)

三田市の魅力ある景観を残すための景観審議委員の公募に応募して英津子は去年から委員をさせてもらっています。今年度は里野山家がある山並み・田園景観計画を進めていっています。自然と一体になった昔ながらの農村の暮らしを感じることが出来る景観の保全を検討する委員会では感じたことをはっきりと意見を発していっています。

転作地・休耕地の活用

地域の山裾には狭く不定形の転作地や休耕地が多くあり、その利活用についてここ酒井区の農会でも検討中です。そんな中で、当地域の町おこし協力隊の青年が三田市商工会の青年部会と連携して、三田蜂蜜を売り出したいと計画し、養蜂家の女性を里野山家に連れてきました。裏山にミツバチの巣箱を置きたいとのことで、これは里野山家の方針にも合う事なので、協力することにしました。蜜源としては山の木の花もありますが、空いている畑にハーブを植えて蜜源にすると共に景観やハーブそのものを売りにしようと話が広がっています。近所の空いている畑の持ち主の何人かに当たってみたところ、快く貸して貰えるようです。描いたことが実現して行くのが楽しみです。

高平郷づくり協議会(以下郷協)のメンバーとしての活動
高平郷づくり協議会運営委員会(8月17日,9月21日,10月19日)

高平地域活性化のアイデアを協議し、イベントとして具体化しています。私たちが担当している環境美化部会では、自然エネルギー活用の普及を目指しロケットコンロ製作ワークショップと自然エネルギー勉強会を開催しました。伝統技術の伝承を目指し、年末にしめ縄づくりワークショップを開催します。来年度は日本伝統の木製水車による小水力発電に挑戦しようと計画しています。副市長の紹介で関西学院理工学部の学生さんたちと一緒にやりたいと考えています。

三田まつり(8月5日)

雨恒例の綿菓子の店を出しました。好評で長蛇の列が出来、終了時刻を考慮して早めに最後尾を止めるほどでした。今年は値上げをしたことと、雷雨で中断される事が無かったので、結構な売り上げになり郷協の自己資金を増やすことが出来ました。

自然エネルギー勉強会(8月19日)

今回は外部講師として塩野勝氏を派遣していただき、午前中「再生エネルギーの活用について」と題して講演して貰いました。午後は実習として水撃ポンプの製作と近くの川で実験を行いました。参加者は小学4年生と中学3年生の兄弟から70歳代までの12名でした。水撃ポンプの製作は二手に分かれ2台作りました。実験は雨後の為川の水量が多くて弁のスプリングの調整が難しかったり接着不良の水漏れがあったりしましたが、短時間の揚水が確認できました。

 

歌声喫茶開催(8月4日,9月8日,10月13日)

もうこれで4回開催しましたが、回を追うごとに参加人数が増えていて、参加者用のスペースを広げ、席を増やしています。「楽しいよ」と口コミが広がっているようです。

 

空き家バンク(8月25日から週一回程度)

以前にも増して高平に移住を希望される方が増えてきました。しかも、新しく農業をはじめようとする若者や小さい子を持つ夫婦の人たちも、敢えてこの田園風景の中で子育てをしたいという人たちが増えつつあります。若い人の方が、人間がどのような環境で心が育つのか「感じる力」を持っているのかもしれないと感じます。紹介した人で30代の夫婦の方が新しく移住してくる予定です。この高平に空き家をなるべくつくらないと考えている生え抜きの方と一緒に空き家バンクを進めていけるのも力強いことです。

高平ふるさと交流センターまつり(10月21,22日)

この祭りでも郷協は綿菓子の店を出しました。生憎の台風による悪天候のため会場は体育館の中になり来客は例年より少なかったのですが、祭り終了まで絶えることは無く、郷協メンバーは他の店や舞台を楽しみながら店を続けました。22日は台風来週の為中止となり、くじ引きは二日分をいっぺんにやり来客から喜ばれました。

里山整備
里道を遊歩道に整備

毎週月曜日に6~8人の常連メンバーにより里山整備が続いています。不要な木を伐った後の林床は枯れ枝や落ち葉を取り除いて、下草や低木の来春の芽生えに備えています。取り除いた枯れ枝や落ち葉は伐採した木を組んで作った貯留槽に溜めて腐葉土化を図っています。里道と階段の整備も進んでいます。

9月からは月に1回、土曜・日曜・祝日に作業日を増やし、勤めのある人にも参加できる機会を作っています。

 

チェーンソー特別教育受講(10月7,8日,10月12,13日)

県の助成金を受けてチェーンソーを購入するには、労働安全衛生法による特別教育修了証が必要である為と、大径木伐木の安全作業の基本を身に付けるため、ボランティア4人がコベルコ教習所で教育を受けました。

県指導(10月2日)

県の助成を受けるに当たり森林ボランティア関係団体から指導を受けるよう指示があり、「兵庫森のクラブ」の方と相談しました。地域の人々に里山の大切さを知って貰う事が第一だということで、「兵庫森のクラブ」から講師を派遣して貰い、来年早々に講座を開くことになりました。

防災・減災研究講演会出席(10月24日)

新神戸近く、神戸芸術センターで開かれた兵庫県立農林水産技術センター主催の「減災研究から見えてくる森づくり」に佐藤秀一と英津子が参加しました。午前中は森林の地上部分の整備、木材の活用、午後は森林の地下の根の部分を、「減災」という切り口からの各分野の講師の皆さんの講座を聴き、その後、屋外に移動して、生田川公園での「土石流水模型型実演」と、新神戸駅裏側の「六甲山森林整備」の現地を見学しました。

里野山家の暮らし
~地域の伝統行事、年中行事、共同作業の写真記録~
施餓鬼(8月18日)

この一年間で亡くなった方々の霊を慰めるため、酒井地区の皆で村の寺、友松寺に集まりました。

秀一は初めての参列でしたが皆さんの真似をして無事お参りすることが出来ました。

高売布神社秋祭り(10月8,9日)

8日は宵宮で、各家の戸主が公民館に集まり会食します。その場で村の古老の先導に従い「伊勢音頭」の練習をしました。その古老の貴重な伊勢音頭をデジカメの動画で記録しました。一杯機嫌になったら各自の名前を書いた高張提灯に区長さんから灯を貰い、肩に担いで神社までそぞろ歩いて行きます。神社に着いたら提灯の中の蝋燭を出して拝殿に供えて拝みます。今年はわが家族も見学に来ました。

本宮の9日は里山整備作業の日に当たっていた為、神輿行列や餅撒きには行きませんでした。

 

(さとう しゅういち:KIESS事務局・NPO法人里野山家代表)

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