鈴鹿コミュニティ活動の展開(片山 弘子:MailNews 2012年6月号)

※ この記事は、KIESS MailNews 2012年6月号に掲載したものです。

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Ekhart Hahn博士の来訪(5月14日~)

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2009年ドイツの環境都市の経験から,「パラダイム転換には,街かどで市民が気軽に寄れるエコステーションが機能する」という提案と,内藤先生の「街の縁側」のお話が,鈴鹿カルチャーステーション構想のきっかけになって2年半ぶり,実際のSCSが出来て初めての来訪になりました。坂井代表やメンバーと旧交を温め,コミュニティの人たちやその仕事に実際に触れて「想像以上のものになっている」と驚きながら,喜んでいました。特に街のはたけ公園の仕事は,都市内の有機物循環の斬新な事例になるだけでなく,人の学びや暮らしに繋がる,市場に侵されない新しい経済と文化を実際に支えるフィールドたりうると示唆されました。

 

ハーン先生の希望で大船渡市~飯舘村を視察(16日~19日)

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日本大学の糸長先生の御厚意で,震災の被災地でコミュニティごと高台に移住計画を進めている人たちや,飯舘村から福島市内で新しい暮らしを始めている若いお父さんお母さんたちと交流,ヒアリングを行いました。飯舘村にも線量計をもって出向きました。私の母は広島で被爆しましたが,広島と異なって飯舘村はどこまでも緑豊かで静かでした。20キロ圏内立ち入り禁止の立て札,無数に並ぶ除染された土が入った黒いプラスチックバック,道路や小川が放射能物質の通路となっている様子やその道沿いが10倍にも20倍にも放射線量が高いこと,雨水がたまると数百倍の数値に跳ね上がることなど。土や水が静かにそして確実に刻々変質を遂げる中で,老人ホームの100名のお年寄りはそのまま残ることを選択し,市内から職員の人たちが交代でお世話に来ている姿を目の当たりにして,取り返しのつかない重さに身が震えるとともに,本当にこれから私たちに実際出来ることに向きたいと心底思えてきました。

 

5月20日シンポジウム『地域創生の時代へ』in 鈴鹿

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東北の視察を踏まえて,鈴鹿カルチャーステーションで開催されたシンポジウムに臨んだハーン博士は,内藤先生の基調理念に続いて,ドイツの40年に亘る原子力問題に対するドイツ市民の考え方と運動,コミュニティ作りの歴史とともに,市民自らが責任を以てコミュニティ作りに参加する大事さを訴えました。

また,東近江市の事例としてetokoro (http://etokoro.shiga-saku.net/) の取り組みを近藤隆二郎先生にご紹介していただきました。シンポジウムの模様は,伊勢新聞の拡大版に掲載されました(http://www.scs-3.org/news/2012/0520/isesinbun.jpg)。

シンポジウムの模様は後程HP (http://www.scs-3.org/) で公開致しますので,ぜひそちらもご覧ください。

 

6月2日 鈴鹿環境フェアで段ボールコンポスト好評

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今年に入って,市の企画で環境展が続き,今回も展示に声をかけてもらいました。特に段ボールコンポストのモニター募集とコンポストのセット一式を用意して臨みました。20名のモニターが生まれ,新しいスタートを切っているところです。

 

(かたやま ひろこ:鈴鹿カルチャーステーション理事)

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