里野山家だより(佐藤 秀一:MailNews 2018年12月号)

※ この記事は、KIESS MailNews 2018年12月号に掲載したものです。

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NPO活動
平成30年度兵庫県農山漁村活性化事業

兵庫県から助成金を受け、農山村体験のイベントを開催しています。

第4回 高平の夕べを楽しむ会(8月18,19日)

平成30年8月18日(土)~19日(日)にかけて平成30年度第4回兵庫県農山漁村活性化事業として三田市野外センターを中心とした高平地域で「高平の夏の夕べを楽しむ会」をNPO法人里野山家主催で行いました。

まず、高売布神社で里野山家会員の前川武比古さん手作りの「高売布神社縁起」の紙芝居を見せて頂き、保田農法の実験場でのヤギの花ちゃんへの草やりや今年の大雨や日照りを何者ともとせず立派に育った茄やピーマンの収穫を体験しました。

夕食は高平小柿地区の三田市立野外センターでのB.B.Q.。夕闇が迫るころ、里野山家理事の岡田さん扮する火の神様が現れてキャンプファイヤ―の点火式。高平ギター部の若ちゃんと千晶さんによる楽しい歌の数々の合間の大笑いの様々なゲームが続きます。

とっぷりと暮れた山に登っての天文観測会は1時間の予定が大幅に伸びて2時間延長でした。お月様や土星を天文望遠鏡で見せてもらいました。

明くる朝は地元のタノカンサさんと三田の街のキビトパンさんのとっても美味しいクロワッサンやエピの朝食でした。

その後、波豆川の移住3年目のお宅を訪問して、「おくどさん」で火吹き竹を使ったご飯炊き。大人もこどももほっぺたを大きく膨らまして「ふーーっ、ふーーっ」って火吹き竹で空気を「おくどさん」に送り込みます。その場で出来立てのご飯のおにぎりをいただきました。その美味しいことはこどもたちの笑い顔で一目瞭然。

続いて、地元の陶芸家田中さんの木器窯を見学させて頂いて、田中さんのお話に子どもたちも真剣な眼差しで聞き入りました。そしてその窯の大きなのにびっくり!

お昼ご飯は高平郷づくり協議会の郷カフェで地元のお母さんの手作りランチ。遠くは川崎市や近くは西宮、神戸から参加した家族の人たちは高平の夏を大いに楽しみました。

第5回 稲刈り体験(10月13日)

5月に実施した「田植え体験」で手植えした稲を今回手刈りして「はざ掛け」しました。大阪や神戸から参加の人たちでワイワイガヤガヤ楽しく秋の農作業を楽しみました。

井戸端会議(8月23日、9月27日、10月25日、11月22日)

ここ最近の井戸端会議は西谷、三田市内、西宮、伊丹など多くの地域から、この高平でなにかやりたい、移住してきたいなど多種多様な人たちが集まるようになっています。

話し合いのテーマは移住問題は元より、稲づくり、有機野菜作り、里山整備、小水力発電、若いお母さんの就労支援、農家レストラン、農泊など高平や西谷ならではの特質を生かしたコミュニティづくりを二時間、たった二時間しかない時間でわあーわあーと賑やかに出し合っています。11月はとうとう今までで最高の15人が参加となり、みんなでびっくりしたところです。

タウンミーティング

高平地区の三田市野外センターと交流センターの今後の活用をどうするかについて市長はじめ市の人々との意見交流を交流センターで行われました。

参加者は小野地区から1人と高平地区から私たち夫婦を含め3人でした。副代表の佐藤英津子が多いに野外センターを巡っての高平における夢を語らせて頂きました。

交通まちづくり(9月29日)

三田市主催による今後の高平地区における交通手段の将来像を参加者の皆さんと意見を出し合いながら探りました。

新人国家公務員研修(6月21日)

三田市の方から今年の新入国家公務員の研修に高平郷づくり協議会を訪れたいと申し込みがあり協会の会長や郷カフェ部門のリーダーと共に佐藤夫婦が訪問を受けました。これまでの郷づくり協議会の活動の歩みと現在の様々な活動をお知らせしました。最後に彼らの抱負をお伺いしたところ、国の機関の中に埋もれることなく地方の住民の声も良く聴く国家公務員を目指すとのことでした。

養蜂プロジェクト 初採蜜 新聞取材(9月1日)

前号の里野山家だよりでも紹介しました蜂蜜プロジェクトの続きです。

平成29年度に里野山家の裏山に置いた巣箱から、いよいよ里野山家の裏山の蜂蜜の採蜜を9月1日にしました。その日は子どもたちもやって来て、新聞の取材もありました。里野山家の庭に巣箱から持ってきた巣の板状のものを、手動の遠心分離機にかけて子どもたちがハンドルを回します。

出てきました!里野山家の蜜が!もうそこに居合わせたみんなの顔が輝いて歓声を上げたほどの感動ものでした。

イオングループ ボディーショップ日本基金

前号の里野山家だよりでお知らせしましたボディーショップ日本基金から頂いた補助金を活用して7月に酒井地域の耕作放棄地にコスモスの種をまきました。

この秋、それはそれは見事に色とりどりの大ぶりの花びらで咲き誇りました!ある日コスモス畑にいますと、宝塚から来ましたと言うご夫婦があまりのコスモスが美しいので、写真を撮ってもいいですかと聞いてこられて撮ってもらいました。帰りにコスモスの穂花束を差し上げました。

また、酒井老人会の皆さんの協力で花壇に葉牡丹も植えました。これらの花いっぱい活動をやってみて、蜜蜂の為に補助金を活用した花植えは蜜蜂の為だけでなく地域の人たちの、街の人たちとの交流にも、とても役に立ったなあと思いました。

その他の補助金の活用としては、里山整備の機器、チェーンソーの燃料や鋸の替刃などに使わせて頂きました。これも山作業の補助金に終わらず、いろいろな地域から参加なさるボランティアの皆さんの心身の涵養と交流の場づくりの重要な一役となっていることに気づかされました。

第4回 三田有機農業講座(高平郷(さと)づくり協議会と共催)(8月23日)

今回の会場は郷協のさとカフェで、34人の参加者があり、そのうち26人が初参加でした。

当日は雨模様の為、午前の小雨のうちに保田先生の指導の下にナスとピーマンの苗の植え付けの実習と保田ぼかしづくりを行いました。

午後は保田先生と西村先生の座学でした。人間の身体にとって如何に農薬、化学疲労が悪影響を及ぼすかということを、データを基にお話しくださいました。このお話は多くの方に是非聞いて欲しいし、特に若いお母さんたちに聞いて欲しいと強く思いました。

サポート高平連絡会議(10月23日)

数年前から高平ふれあい協議会主体で始まった高齢者のお医者さんなどへの送り迎えのボランティア・サポート高平も今年で3年目を迎えます。里野山家の理事である岡田さんや私達夫婦も登録ボランティアとして高齢者の方々の足として送り迎えをしてきました。

来年3月から支援対象者を高平全体に広げることになりました。待ちに待った上高平への拡大に地元の方々も本当に心待ちにしていたと期待に胸を膨らませていらっしゃいます。

高平郷づくり協議会(以下郷協)のメンバーとしての活動

毎月第二木曜日の夜に開かれる、高平地域を仲より住み良い地域にしていくには、どのような活動が必要だろううかと立ち上がった高平郷づくり協議会の運営委員会に、里野山家代表の佐藤秀一と副代表の佐藤英津子は第一部会、環境・美化部会長、副部会長として参加しています。

歌声喫茶開催(9月14日、10月12日、11月9日、12月14日)

この頃の歌声喫茶は、地域にしっかりと根付いてきて、参加なさるお年寄りが本当にこれを楽しみに参加されているのが総司会をさせて頂いている私(佐藤英津子)にじんじんと伝わってきます。

自作の絵入りの歌の歌集を製作して、各々の曲の成り立ちや作曲者や作詞者のエピソードを入れて説明をして下さる酒井地域の生え抜きの前川武比古さんをはじめ、全然知らない古い演歌や歌謡曲を見事に演奏してくださる上槻瀬の西村遼子さんの協力には本当に頭が下がります。

このような交流の場を作りたいと願って始めた歌声喫茶も一年半となりました。参加者も遠くは大阪堺市から来られている人もいたり、西宮市、三田のニュータウン、小野地域など他市部からの参加者も見られるようになってきています。

移住推進活動
  • 10月23日 尾崎さん、清水さん来訪
  • 10月26日 吉川邸改修手伝い
  • 11月中旬 福島県からの移住希望者受入れ

9月初旬に北県民局主催で行われた県民局主催の一日移住見学ツアーに来られた二組の方が、9月23日に里野山家を見学に来られました。

一人の方はずっと高平に住むのではなくて、偶に高平の四季を味わいに来た時に使う別荘を探されていました。その方には波豆川の一軒を案内しました。とても気に入られ今度中を見せて頂く予定です。

もう一人の方は23日以来、毎週小学校5年生の子どもを連れて里野山家に滞在されています。

11月には福島県から自主避難移住をして来たいというご夫婦に郷カフェでさと蕎麦ランチを食べて頂いたりして、郷カフェのメンバーや郷協のメンバーや里野山家の会員さんを紹介しました。

そのご夫婦と仲間の人たちは高平で地域の人達と共に永続可能な地域づくり(コミュニティ)づくりをしたいという夢を持っておられます。この思いは里野山家の趣旨と同調するところ多いにありますので、これから共に地域づくりを進めていくうえで良きパートナーとなって頂けることと感じました。

里山整備
兵庫県助成「住民参画型森林整備事業」 里道を遊歩道に整備

今年は大型台風が何度も襲来し木が沢山倒されました。他の木に繋り木になっていることが多く、その処理にかなり手を取られました。(上段左写真)

遊歩道の伸長は両側の雑木整理と共に順調に進んでいます。(上段右)

周辺の山林にもナラ枯れが広がっており、被害木の伐倒処理作業も手がけています。

里野山家の暮らし
~地域の伝統行事、年中行事、共同作業の写真記録~
施餓鬼(8月18日)

毎年5月8日と8月18日はその前年度に亡くなられた人を送る花施餓鬼と大施餓鬼です。村から各戸一人づつ出て死者の霊をみんなで送ります。

佐藤英津子は数年前の大施餓鬼の時に村の女の人で唱えられる「御詠歌」に魅了され、今では村の観音講に入れてもらって御詠歌を練習しています。

畦倉池取水口土上げ(8月25日)
波豆川八坂神社秋祭り お練り(10月6日)

一昨年初めて見物して感動しましたので、今年も人を誘って見に行きました。3年前に移住して来て、波豆川地域に馴染んで子育てをしている家族の子供たちもお練り行列に加わっていました。お兄ちゃんは吉良上野介に扮していました。太鼓の演奏はなかなか難しそうで、バチをくるくる回しながら打つ様は見事でした。静かな中にも幻想的なこのお祭りは、その他の祭りと共に街の方たちに是非味わって頂きたい高平の伝統行事です。

高売布神社秋祭り
初党千本搗き(10月6日)

今年高平の六ケ村で結婚したり子どもが生まれた人を初党と言い、高売布神社秋祭りの前日に棒状の杵で餅を搗きます。今年は本物の初党は一人しかいないので、氏子中の役員さんらが加わりました。

宵宮(10月7日)

酒井地区、各家の戸主が公民館で会食後区長さんから蝋燭に火を貰い高張提灯を担いで神社まで提灯行列をします。境内では2基のだんじり、通称男だんじりと女だんじりが、ああでもない、こうでもないと行ったり来たりして鉦の音を競います。最後には仲睦まじく収まるという次第です。

本宮(10月8日)

本宮では本殿での儀式の後、だんじり、子供神輿、神輿が連なって氏子の6カ村を一日がかりで巡り歩きます。途中の借りた畑にコスモスを植え行列に色を添えようとしたのですが、植える時期を誤ったのと天候不順の為、花が満開に至らず残念でした。

(さとう しゅういち:KIESS事務局・NPO法人里野山家代表)

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