NPO法人 循環共生社会システム研究所

KIESS♪ MAILNEWS

最新号

バックナンバーはこちら


>>  >>>  >>>>>>  >>>><<  <<<<<<  <<<<<<   
>> >>      >>    >>      <<      <<   循環共生社会システム
>>>>       >>    KIESS   <<<<<<  <<<<<<     2008年9月5日号
>> >>>     >>    >>          <<      <<      代表 内藤正明
>>  >>>  >>>>>>  >>><<<  <<<<<<  <<<<<< 
                  
 長い真夏日の後、集中豪雨が各地で続いています。被災された
皆様のご無事と、各被災地域が一日も早く復旧されるよう心から
お祈りしております。
 さて今号巻末で取り上げた「週末は企業内農場で」は内藤代表
が1995年に発表されたエッセイの一部です。発表当時に、持続で
きる社会での産業や仕事とは何か考えさせられるといった反響が
ありました。ご感想をお寄せ下さい。

------KIESS♪ MAILNEWS  2008/09/05号 目次 ------------
♪巻頭言 「一日も早く具体的な村・街づくり」内藤正明 代表
♪「衣服はどこへでも移動できる究極の省エネ型空調装置」
   原田隆司
♪「週末は企業内農場で」1995年1月の内藤代表のエッセイより
★ホームページ★ http://www.kiess.org
----------------------------------------------------------
 
■ 一日も早く、具体的な村・街づくりを ■
内藤正明
 この30数年間、自分としてはおおよそ世の中のことを先取りし
て言ってきたが、ことここに至って言うべきこととして何がある
だろう。いまさら省エネを頑張ろうとか、リサイクルを頑張ろう、
でもないだろう。

 この今の状況が早晩行き着く先は、地球生態系の異常が深刻化
することと、人間にとっての生存基盤である食料とエネルギーの
危機と言わざるを得ない。つまり先取りして提案するとすればま
さにサバイバル出来得る社会を、一日も早く構築すること以外に
ないだろう。ではそれは結局どういう社会なのか。

 まず金を貯めて資源を備蓄し、それから新しいエネルギー技術
を開発することだろうか。しかしいっときの危機を先延ばしする
ことが出来たとしても、早晩、最終的な場面が訪れる。結局われ
われが持続して生きていけるためには、最低限の食料と水とエネ
ルギーを確保することにつきる。その手段はお天道さんの恵みに
依存するしかない。
 どうしても必要な条件がもう一つあって、それは人々が本当に
力をあわせて生き延びていこうとする意思と知恵が備わっている
ことである。それがどのような社会の具体的な姿になるかは、そ
の答えはおのずと明らかではないか。どうしてもさらに具体のイ
メージを見せろと言う人に対しては、今の最先端のIT技術を使っ
て映像化し、お見せするしかないかもしれない。実はその試みを
いま始めようとしている。乞うご期待。


------------------------------------------------- 
■ 土曜倶楽部 2008年度第2回 原田隆司氏 ■
「衣服はどこでも移動できる究極の省エネ型空調装置」一部紹介

 人は冬の寒いときから暑い夏まで常に、わきの下が36度前後、
脳と内臓部分が37度という体温を保つ。特に「発汗」と「着衣」
によって人間ほど地球上のどこでも生きていける力を持ったもの
はない。自動販売機が戸外で温度一定に保つために、一家庭分の
電力消費をしているのに比べて、人体には驚くべき精緻さがある。
こんな人体の機能に即した衣服であれば、それはどこでも移動で
きる究極の省エネ型空調装置であると考え、私たちは衣服の快適
性、着心地について着目して、人が快適と実感できる衣服内の温
度.湿度.気流(衣服内気候)を計測した。最終的には着用テス
トで確認するが、その前に感覚として捉えられて来た量を、数字
で把握することが可能になり、人の側に立って新繊維の試作品を
客観評価できるようになった。

 人にとって快適な衣服とは、自然環境条件や人体の活動状況に
応じて水分や熱を移動、又は遮断して、衣服内の気候を絶えず快
適域に保つような調節機能を持つものである。たとえば蒸し暑い
日本の夏を凌ぐには、発汗初期の蒸れ感、大量に汗をかいて皮膚
表面が汗で覆われる濡れ感とまとわりつき、その後の冷え感の解
消が必要である。それには衣服のゆとりと開口部が大きいだけで
なく、汗が衣服に吸収され、さらに外気側に移動して外気へ発散
するという吸汗・速乾がポイントになる。一般に天然素材が良い
という常識が根強いが、綿は吸湿・吸水性が良くても放湿速度が
遅いので、大量に汗をかくと不快になる。肌側(吸湿)と外気側
(移動発散)を分担させるという考え方で、いろいろな多層構造
ニットや多層構造ヤーンを開発した。状況に応じて最適なものを
選択したい。

 いま着ている盛夏用の背広生地は、吸湿性に富む羊毛に強撚を
かけて通気性を高くしたもので、衣服内の温度湿度の上昇を抑制
できる。着物の絽からヒントを得たもの。クールビズ・ウォーム
ビズが提案されている昨今、正しい製品の選択や、着方一つで、
その効果はさらに大きなものになるだろう。(編集子まとめ)

-------------------------------------------------
■ 週末を企業内農場で  ■
1995年1月 『これからの社会像とその要件』より  内藤正明

 環境基本法で言う 「循環共生的」 な社会をどう実現するか
には多くの議論が必要だが、いまこの方向で各地で様々な試みが
始まっている。また一部の企業も関心を持ち始めている。この時
の最大の鍵は先述の通り、大きく歪んだ工系と農系のバランスを
どんな手段で回復し、かつ連携するかである。

 その一つの解を象徴的に表現すれば、ニッサンが新型サニーを
売り出す一方で、無農薬サニーレタスを自家生産することでり、
優れた車の設計者が同時に優れた農民である社会になることだろ
う。このことによって地球に優しいことはもちろん、今日の社会
病理(農山村環境の破壊、コミュニティー崩壊、構造不況、過疎
と一極集中、食糧不安等)の解消も期待される。さらに、日本の
企業は世界的にも稀な共同体的特質を持っているが、これはその
ままコミュニティー社会へ移行する仕組みとして適している。

 このような循環・共生型社会は、経済効率を唯一の価値基準と
し二十四時間人工装置に囲まれて育つ子供たちを開放し、働くこ
との喜びや自然の一員という自覚をもたらす真の環境教育にもな
るのではないか。

 尚ニッサンのサニーレタスが国内の農業経営を圧迫することは
ない、それはサニーの輸出が減る分、レタスの輸入外圧は無くな
るからであり、いづれ食糧危機が来ればサニーではなくサニーレ
タスがニッサンを救うことになるだろうから。最後に、このよう
な農系回帰の市民社会を形成するには、経済、社会、都市、政治
の形態なども現在のものとかなり異なることが想定される。

-----------------------------------------------
KIESS♪MAILNEWS/ 2008.9.05♪片山弘子/編集制作
Copyright(C) 2008, 循環共生社会システム研究所 
http://www.kiess.org/
 京都市左京区新丸太町42
-----------------------------------------------
	    

バックナンバーはこちら