アズワンネットワーク鈴鹿コミュニティ(片山 弘子:MailNews 2016年9月号)

※ この記事は、KIESS MailNews 2016年9月号に掲載したものです。

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昨年2015年春から、自分の地域でコミュニティや仲間づくりをしたいという人たちのために、サイエンズ留学制度が始まっていますが、国内や韓国、ブラジルから、常時10人以上の留学生を受け入れるようになりました。

その中で特に、岩手、東京、横浜、浜松、北九州、筑豊で、サイエンズという考え方をベースに、それぞれに合った進み方や方法で、活動が始まっています。最近になって、お互いの交流や研究を積極的にしようと声が上がり、鈴鹿もその一員となって、お互いをネットワークする活動が活発に始まりました。その中で、AS ONE(世界はもともと一つ)という言葉を、一コミュニティの固有名詞に留めるのはやめようということになりました。

サイエンズとは、自然界と人同士のつながりに気付けないまま、個別観から来る深刻な諸問題を引き起こしているお互いから、お互いの繋がりと、実際の世界に気付き合っていけるお互いに成り合っていくために開発されたアプローチです。

それぞれ地域の個性的な活動が、ネットワークの中でどう展開していくか、新しい試みです。

 

韓国江北マウル(まち)日本研修団

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8月30日~9月1日、韓国江北マウル(まち)日本研修団が鈴鹿コミュニティ探訪にやって来ました。

江北マウルはソウル市北区で、ケア、教育、文化、住民自治、社会的経済、都市再生、エネルギー転換、食べ物など、様々な活動を行っているネットワーク団体で、行政との協力事業も行っています。

今回の研修の目的

  1. 運営委員達が地域を一緒に作っていくマウルをイメージするきっかけをもうけること
  2. 地域運動に必要な過程を学びあうこと
  3. 民と民、民と官の協力活動に疲れた活動家達が余裕とリフレッシュできる機会になるようにすること

これからアズワン鈴鹿コミュニティと交流を重ねていくことになりそうです。

 

 

SUZUKA FARM便り

8月中旬からは、秋野菜の作付け(キュウリ、人参、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー)、続いて稲刈りしています。稲刈りの大型機械は地域の人たちから貸してもらうなど、鈴鹿地域の方々に支えられ、応援されて、今年もおいしい鈴鹿米が獲れました。

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出版『規則も命令も上司も責任もない』
人が幸せになるための会社/おふくろさん弁当の本

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アズワンネットワーク編集部刊 1,500円

推薦文より

(略) 世の中を見渡せば、ホロクラシーを採用したザッポスから日本のカヤックまで、「管理しない組織」の潮流が芽生えてきています。これらの組織は一人一人の生産性の高さで知られ、快適な組織づくりを行って能力の高い人たちを集め、定着させる高度知識産業向けの組織パターンであると考えられてきました。おふくろさん弁当の事例は、「管理しない組織パターン」が高度知識産業向けでなく、ごく普通の人たちを雇う、街の3K労働業態であっても、問題なく機能することを証明している点でも大変興味深い事例となっています。

鈴鹿コミュニティやおふくろさん弁当のような気風が好きな人たちが単に集まったとしても、おふくろさん弁当みたいな職場が存続するわけではないでしょう。かといって、おふくろさん弁当の存続が、特定の個人のカリスマ性に依存しているわけでもないようです。

「会社のために人が犠牲になることは仕方がない」という、本末転倒な考え方を止めると同時に、「人が会社のために犠牲になるなら、そんな会社は潰せばいい」という暴論にも陥らない。おふくろさん弁当は、そんな分かりやすい結論を出さない気風の中で、みんなが安心してよく話し合える中で育っていっているように見えます。ぜひ本冊子を紐解く中で、そのような実態を感じていただけたらと思います。

(戸谷浩隆・ウエル洋光台オーナー代行)

 

 

9月16日 NPO法人えこびれっじネット日本
GEN-Japan第1回総会

GEN(グローバルエコビレッジネットワーク)は、国連経済社会理事会ECOSOC(エコソック)の諮問団体でもある、エコビレッジやコミュニティをベースにした未来への社会づくりのための世界的なネットワークです。GENの一員として、NPO法人えこびれっじネット日本GEN-Japanは、7月に法人として認可され、アズワン鈴鹿コミュニティに事務所を置くことになりました。実は、これまでの繋がりの中で、縁あって代表理事を務めることになりました。NPO化を準備しようやく総会にこぎつけたところです。これまで内藤先生はじめ、KIESSの皆さんの中で学んできたことを糧に、丁寧に活動をしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

今後さらに、私たちの足元に、私たちの暮らしやすい『つながり』を取り戻し一人一人その人らしく生きられる、持続可能な新しい社会システムを一緒に創っていくためのネットワークとして活動していこうとしています。現在国内の地域コミュニティや活動団体15団体をはじめ、持続可能な社会づくりを進める個人やグループが会員となっています。これまでこうした活動はそれぞれの団体の中で忙しく、相互に協力をすることが難しい面がありました。個別に分断されやすい社会風潮の中で、日本の市民活動が社会的影響力を持ちにくく、折角の高い能力が生かされていないと指摘されがちでした。私たちもどこまでできるか分かりませんが、教育プログラムを協力して開催することを通して、お互いの横のつながりを産み出していこうとしています。

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さて9月16日、えこびれっじネット日本GEN-Japanの第1回総会が開かれました。東京や関西からも会員が集合し、NPO法人としての活動がスタートしていることを確認し、来年4月からの教育プログラムの開催内容など、今後に向けて有意義な話し合いがなされました。総会後は、内藤正明先生に記念講演をしていただき、平日の午後にもかかわらず、50名を超える一般参加者がありました。内藤先生からは、改めて現在の厳しい社会環境、自然環境について問題提起をしていただき、このチャレンジングな時代に出会ったお互いとして、協力してそれぞれの足元に、生きるベースを作っていくこと以外に道がないことを訴えられました。意を新たに決意する、新しい門出にふさわしい一日となりました。関係者の皆様、これからよろしくお願いします。

 

やさしい社会国際フォーラム2016
10月、九州から東京まで14か所で開催

その活動第一弾として、エクハルト・ハーン先生を招聘し、各地域で持続可能な社会づくりを進める団体や個人と協力して、全国縦断やさしい社会フォーラムを開催します。開催地は下記の通りです。ぜひご参加をお願いします。

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(かたやま ひろこ:NPO法人えこびれっじネット日本代表)

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